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2020/09
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[130] もったいな~い! 線香水車場が消えていく・・・
<130号> もったいな~い! 線香水車場が消えていく・・・


9月末に水車をめぐるツアーに参加し、5箇所の水車場を訪ねました。
最初に訪れたのは線香水車場でした。間伐された杉の葉っぱを集めてきて、火室で薪をくべて乾燥させ、乾燥させた杉の葉を臼に入れて、水車がゴットン、ゴットン・・・まわって生まれた動力で、等間隔でドッタン、バッタン・・・リズムを刻み、臼の中で杵が上下して杉の葉っぱを細かく砕き、粉になっていきます。


臼と杵でやるもちつきを想像してください。臼の中に杉の乾いた葉っぱが入っていて、それを杵でついている感じです。その臼が10個ばかり並んでいて、無人の杵が上下にドッタンバッタンして粉を挽いているのです。


粉になったら、水車の動力で動くふるいの機械にかけられて、線香の原料となる粉のできあがり!


線香が杉の葉っぱでできていたなんて・・・! 聞いた覚えがあるような気もしますが、普段は思い及びませんでした。


昔ながらの製法は、随所に工夫が凝らされ、できるだけ作業効率がいいように、高低差をうまく利用してあったり、川の蛇行をうまく考慮してあったり・・・。昔の人たちの知恵に、う~ん!参った!!

 

2番目に訪れたところは同じく線香水車場でしたが、ご主人が数年前に急逝され、残された奥様一人ではどうすることもできず、続けたい思いを抱えながら廃業されたところでした。


線香の材料づくりは、間伐された杉の木から葉っぱをとってくることから始まります。間伐の業者の方にも都合があるので、決められた期間内に杉の葉を回収しなければなりません。山の中の急傾斜を杉の葉を集めてまわるのはかなりの重労働だそうです。まだ乾いていない杉の葉っぱは重たく、男性でもかなり大変な仕事でしょう。ましてや女性一人では「無理」だとあきらめられた奥様の気持ちも理解できます。


杉の葉を集めたら、しばらく自然乾燥させた後、火室で薪をくべて乾燥させます。これがまた、火を使うので危ないそうです。あわや火事になりかけたこともあるそうです。他にも水車や導水路のメンテなどなど、力仕事はきっと山ほどあるのでしょう。私も一人で百姓仕事をしていると、「あー、もう少し私が力持ちだったら・・・」と悔しい思いをすることがよくありますが、水車場で使われている道具や部品は、どれも重そうで、きっと百姓仕事の力仕事の比ではないでしょう。


それでも、線香の材料が昔みたいに高値で売れていたなら、奥様もどうにかして続ける方法を模索されたかもしれません。そうです。今は中国産の安い材料が入ってくるため、線香の材料の価格は下がる一方で、採算がとれなくなっているのです。奥様には息子さんがいらっしゃいますが、跡を継がれる予定はないのだそうです。

 

あまりにももったいなさすぎます!! 今、日本の森は荒れる一方です。こちらも安い外国産の木材に押されて価格は下落の一途。そのため、間伐もされず放置され、山は荒れ放題。間伐されない森には日光が差さないため、真昼でも暗く、植物もほとんど育ちません。健全な森は雨水を蓄える保水機能がありますが、荒れた山には保水機能はなくなり、大雨が降ると洪水が起こりやすくなります。また、植物が育たないため、野生動物のえさが少なくなり、“害獣”となって、人里に出て悪さをするようになります。こうやって、悪循環のループが延々と続いていきます。


この地域で線香水車場が存続しているということは、間伐がなされていることを意味します。それは、健全な森を維持する取り組みが行われているということです。ましてや、杉の葉は木材には不要のもの。それを線香の材料に加工するのは、不用品の有効利用です。そして、動力は二酸化炭素を少しも発生させることなく、水が生み出してくれた自然エネルギーです。あちこちで声高らかに「循環型社会の構築」が叫ばれていますが、これこそが循環型社会モデル産業のひとつだと思います。「環境にやさしい」上に、水車の技術や歴史や伝統や文化や、いろんな知恵がギュギュギューっと詰まっています。

 

こんなすばらしい産業が廃れつつあるなんて、悲しいですね。奥様が涙ながらに窮状を話してくださった姿を忘れることができません。


奥様のために何もできない自分をふがいなく思いますが、せめて、日本産の原料でつくられた線香を使っていきたいと思います。

 

 

<以下、ブログ限定写真シリーズ>

 

水車を動かすには、
堰を築いて水を確保しないといけない。
こんな立派な堰、造るのはすっごく大変だよね~。
(稼働中の線香水車場)
 

堰から水を引く水路
これが水車まで続く。
ここの場合、2-300mかな?
(稼働中の線香水車場)
 

水車の手前にはゴミ受けのガラリがあって、
ここで、水量をコントロールできるようになっている。
水車が壊れないように、大雨時などにはここで水流をカットする。
(稼働中の線香水車場)
 

こうやって引いてきた水で水車がまわる。
水車、大きいです。
直径4mくらいかな?(いや、もっと?)
一部しか見えてません。
(稼働中の線香水車場)
 

線香の材料となる杉の葉っぱ。
葉っぱ集めが一番の重労働だそうです。
もちろん手作業です。
(稼働中の線香水車場)
 

“臼”と“杵”の部分
こんなんがズラズラズラと並んでいて、
水の力で、ゆっくりついていく。
ゆっくりだから、熱が出ることもなく、品質がよくなる。
(稼働中の線香水車場)
 

 

水車<朝倉の三連水車>関連「すんばらしいお米のはなし-?」はコッチだよ。

 

 


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