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[166] 田んぼの小さな“いのち”たち

<166号> 田んぼの小さな“いのち”たち


お盆前から雨が続いています。カラカラに乾いていた畑も、お陰でじゅっくり潤いました。里芋もナスもキュウリも嬉しそうです。雨が降ってくれたお陰で、毎日の水やり3時間から解放されて、お盆はゆっくり過ごすことができました。(^^) 雨ってつくづく、ありがたいです。今年は成長が遅れている里芋。この雨で水分をしっかり補って、大きくな~れ!

 

先日、朝の散歩から帰った母が「うちの田んぼにはクモがいっぱいおるね。よその田んぼにはおらんとに。あ~、こぎゃんしていっぱいおるけん、害虫が来てもやっつけてくれるとたいね」と感心していました。そうで~す! うちの田んぼにはクモがたくさんいます。それも大きいクモ、小さいクモ、細長いクモ・・・、いろんな種類のクモがたくさん。巣を張って獲物をつかまえるやつ。走ってつかまえるやつ。葉っぱの裏に潜んでつかまえるやつ・・・。

 

姿かたちはグロテスク(?)ですが、クモは虫を食べる益虫です。今年は特にクモが多いような気がします。クモだけでなく、同じく益虫のイトトンボも。畦を歩くと、畦草にとまっていたイトトンボが、両側にワーっと飛んで、通り道をつくってくれます。まるでモーゼの「十戒」で海が割れるように・・・(ちょっと違う?)。

 

夕方になると、100や200の赤トンボ(ウスバキトンボ)が群れをなしてやってきます。それを狙ってツバメもやってきます。ちなみに、よその田んぼにはトンボもツバメも少ししか飛んでおらず、彼らは、虫がたくさんいるうちの田んぼが大好きみたいです。よその田んぼよりも多くトンボが舞っている姿をみて、「ふっふ~ん♪」と、人知れず優越感に浸る私です(アホ)。

 

水の中にはハイイロゲンゴロウ、チビゲンゴロウ、コマツムシ、ガムシなどなどの水生昆虫もたくさんいます。ハイイロゲンゴロウは一年目は佃煮にできるくらいウジャウジャいたのが二年目は忽然と姿を消してしまいました。代わりに現れたのがコオイムシ。コオイムシがやってきてくれたのは嬉しいのですが、ハイイロゲンゴロウが消えてしまった理由がわからず、寂しい思いをしていました。そうしたら、三年目の去年は2-3匹戻ってきて、今年はうじゃうじゃ。(^o^)/ ハイイロゲンゴロウの復活です。水の中をクルクル、素早く泳ぎまわっています。コオイムシも相変わらず、父ちゃんコオイムシが背中に卵をしょって、子ども(卵)の面倒を見ています。その他、メダカや小ブナ、ケシカタビロアメンボも元気です!

 

なんでうちの田んぼだけ、こんなに生きものが多いかというと、無農薬だから。それから、稲刈り前後を除いて、秋口からずっと水を張っている“冬季湛水”のお陰でもあると思います。


星寛治さんの「農から明日を読む」の中で、「良く超えた土の一握りには、ミミズとか目に見える小さな生き物たちだけではなしに、酵素とか土壌菌など、顕微鏡の世界の微生物が数億から十数億の単位で生息し、土中の小宇宙をつくり出しているんです」という、京都大学の小林達治教授の言葉が紹介されています。うちの田んぼは無肥料なので、星さんがされている有機栽培(堆肥を使う)とは少し違いますが、農薬や化学肥料、除草剤などの化学合成薬品を使わないという点では同じ。おそらくうちの田んぼにも、目に見えない小さな“いのち”が数え切れないくらいたくさん息づいているはずです。それらが水質を浄化してくれたり、食べる・食べられるという関係があったり、おそらく稲にとっても生育にいい影響を及ぼしてくれているのだと思います。

 

目に見えない小さな“いのち”から、イトミミズやハイイロゲンゴロウやクモやイトトンボ、トンボ、ツバメ、アマサギ、メダカ、カエル、ヘビなどなど、田んぼの中ではすべての“いのち”がつながっています(循環)。そのつながり(循環)の中で、稲が育ち、ゆくゆくは「ご飯」となって、私達“ひと”のいのちを支えてくれます。そう考えると、私達一人ひとりの“いのち”は、とてつもなく多くの“いのち”によって支えられている=生かされていることを思い知らされます。

 

尊い尊い小さな“いのち”たち。農薬(化学合成物質)は、その“いのち”を消し、循環を断ち切ってしまいます。せっかく稲を守ってくれているクモや、イトトンボや、それらの“いのち”を支えている小さな虫たちを殺してしまいます。とてももったいないことです。そのことに、人々が気付いてくれる日が来ることを信じ続けたいと思います。

 

 

 

 


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